屋根のうえ

進行中の現場の写真。

2寸勾配の屋根の上。どこか少し、夏の気配。

津南町

少し前、新潟県津南町に伺って、学生時代にお世話になった方と本当に久しぶりに再会し、4軒しか家のない山深い集落にほぼ自力で建てたという小さな小屋に泊まらせていただきました。

もう15年以上も前から「いつか必ず自分の手で建てるんだ」と仰っていた、地元の木材だけを使った、電気も水道も通っていない手づくりの小屋。

その簡素な「巣」のような佇まいからは、春の美しさも冬の厳しさも全て等しく受け入れ、自然に抗うことを諦めた末の、どこかほのぼのとした気楽さが漂っているような気がして、それはこの地域の集落の古い家たちにも共通する自然に対する構え方であるようにも感じました。

ずいぶん昔、その人に言われた「お前は大工になれ」という言葉。それが自分が手描きの図面や木造の建物に拘る理由のひとつになっている気がしていて、そんな原点を再確認する貴重な機会をいただきました。

写真のこと

このホームページに掲載されている写真のほとんどは、友人の写真家・金田幸三さんに撮影していただいたものです。

金田さんの写真には、たとえ人が写っていなくても、いつも何かの「気配」が写り込んでいるかのようで、僕にはそれがいつも新鮮で魅力的に感じます。

その「気配」の主は、これから建物を使う人かもしれないし、建物をつくりあげた職人さんかもしれないし、撮影者自身かもしれないけれど、もしかするとその場所自体が宿している「時間」とか「過去」とか「記憶」とか、そんなようなものたちがふとした瞬間に写り込んでいるのかな、と思ったりもします。

ホームページのこと

このホームページは、学生時代からの友人の大田暁雄さんに作成していただきました。

僕が普段から良く使っている藁半紙をモチーフに、簡素で手触り感のある素晴しいページをつくっていただきました。情緒的になりすぎず、合理的にもなりすぎず、何事からも距離をとって力を抜いて立っている、そんな大田さんらしいデザインだなと思います。

事務所のロゴも大田さんのデザインです。「ただしま」の母音のAの字の連なりが、どこか山のようにも見えたりして、とても気に入っています。ありがとうございました。

大田さんは現在、雑誌『アイデア』にて「アトラス/生態学的世界観の視覚化」という連載もされているので、ご興味のある方は是非ご覧下さい。

 

ホームページを開設しました。

唯島友亮 建築設計舎 ホームページを開設いたしました。
これから更新していきますので何卒よろしくお願いいたします。