静かな時間

高松。全て大工さん手刻みの、木組みの架構が空に浮かぶ。

ひとりの大工さんが3ヵ月もの時間をかけて、全て自分の手で黙々と墨付けをされたそう。毎日加工場で、これだけの本数の木と独りで向き合い続ける時間というのは、どんなに大変でどんなに尊い時間だろうか。

建築や設計の現場から、そんな静かで豊かな時間がどんどん失われていっている。

パソコンの中で何度でもやり直しの効く図面を効率良く描いていては、そんな大切な時間を知ることはできないのだろうと思うから、自分の設計するものの図面は、やはり、できる限り自分の手で紙の上に描くことを続けていきたい。そんな考えを改めて心に刻みました。