木の実

いつだったか、どこかの山の落ち葉の中から木の実を拾って、ちょっと前まで頭上の枝とつながっていたのであろう尻尾みたいな部分を右手でつまんで空にかざしたとき、こんな形をみたような気がする。そんな山。とんがり帽子のような簡素な山。ひとっこひとりいないだろうと思ったら、静かなひとがひとりいた。