境界

京都、無鄰菴の庭。

個人的にとても好きで、ここ数年、関西方面に行く機会があるときは、
ほぼ必ず訪ねているのですが、毎回新しい、小さな発見があります。

去年の夏、訪れたときに気づいたのは、庭の境界の美しさ。
ひとの手で丁寧に手入れされた、小石の道と地被類の海のグラデーションに、
なんとも言えない清らかさを感じました。

庭をはき清める、という言葉の意味を改めて考えさせられると共に、
その淡々とした繰り返しの行為の中に潜んでいるのであろう沈黙に満ちた静かな時間について
庭の片隅でおぼろげな想像をめぐらせました。