古い日記

雨の日に、古い山の日記を読んだ。会ったこともないひとの書いた、行ったこともない遠くの山の記録。自分が生まれるよりはるかにむかしの深い森の中のこと。なにもない。なにも起こらない。淡々と綴られていたその言葉は、だけどどうにもなつかしかった。