原寸図

三月二日の午後。
ある建築家が遺した、膨大な量の原寸図の束。
薄い美濃紙の上の、無数の手描きの線と寸法。

その気の遠くなるような作業の、一枚一枚の愚直さ。誠実さ。
その図面を手にすることになる大工さんや職人さんの手の動きについての想像力。
いろいろな人たちの手を借りながら「共にものをつくる」ということについての、
邪念も気負いもないそぎおとされたまっすぐな思い。
感動しました。

自分が目指すものは、間違いなくこの紙の束だ、と思いました。

すばらしいものを見せていただき、
それから、心底勇気づけられるような力強いお話も。
本当にありがとうございました。

帰りの畑の道。小雨のなかで暗く、しかし鮮やかでした。