まぎれている

森のなかで光っているものは、その場所にまぎれているからいい。
たとえばその光っているものをそこから取り出して、持ち帰って、家のなかで眺めたとしても、それは森のなかで見る時ほどの光を放つことはないだろうと思う。
なにげないから光るもの、まぎれているから光っているもの。そんなものたちを見つけて、記憶して、その横を歩いていくとき、小さなうれしさが身体の中をしーんと通りすぎていく。