河原のわきに一段高くなった小さな場所があって、その行き止まりのあたりに明るい落ち葉がカサカサと敷かれていた。あたたかくて風のない日だった。
あの光っているところで時間を忘れてウトウトと午睡でもしたとしたら、葉っぱの落ちていく音や流れていく音が、静かな午後の眠りを毛布のようにくるんでくれるような気がする。明るい落ち葉のうえに、目をつぶりポカーンと口をあけて寝転んだら、顔のうえをチラチラと動いていく秋の日射しのむこうから、きっとたくさんの澄んだ音たちが響いてくるのだろうなあ。
などということを空想しながら机の前で写真を眺めていたら、秋の風に乗って飛んできた何枚かのイチョウの葉っぱが、カタンカタンと窓のガラスを叩いた。