「もしもあなたがワシントン山の頂上に立ったことがあるなら、そこで何を見出したか、と私はたずねたい。そこに登ること、ケガをすることは重要なことではない。そこにいる間は私たちは登るということをそれほどしていないのである。ただ昼食をとったり、家でと同じような多くのことをするだけである。本当に山を越えるのは、そういうことがあるとして、帰宅してからなのである。山は何といったか。山は何をしたか。」(H.S.ソルト『ヘンリー・ソローの暮らし』)
そこを歩くことは重要なことではない。それを描くこと、消すこと、描き直すことは重要なことではない。山は何といったか。建築は何といったか。