郵便

遠方のある人とお電話をしていて、あるもののことを「もう届きました?」とお聞きした時、「郵便屋さんは毎日かならず○○時にうちに来るからさあ。その時間になったら持ってきてくれると思うんだよね。」とその人が言った。

それってすごく当たり前のことなのかもしれないけれど、その時の自分には、それがとても羨ましいことに思えた。その人と郵便屋さんとの関係、それからその関係を成り立たせているその町の空気、時間の感覚。

「郵便」という言葉が、空間から空間へと淡々とモノが転送されていく制度のことではなく、それを黙々と運ぶひとの存在を思い起こさせるものであるような、そんなおおらかな感覚のことを思った。

写真は、以前行ったある古い郵便局の建物。
郵便局の受付の空間って、なんだか良い。窓口の向こうに郵便をささえるひとが見える。そのひとに「宜しくお願いします」と言って郵便物を渡すひとがいる。自分も、遠くの誰かに郵便を出してみたくなる。