輪っか

池のうえに虹のように架かった木の輪っかの下を、ひとりのカモがすーっと静かにくぐり抜けていく。オンボロの携帯カメラで写真を撮ったら、木のかたちに沿って眩い光の輪っかが写りこんで、カモの姿はその明るさのむこうにまぎれていってしまいそうだった。