赤のある椅子

椅子の上でぐっと身を固めたふたつの赤が、どこか物思いにふけっているように見えた。部屋に射す太陽の光がぐんぐんと傾いてくる。ふたつの赤がまどろんで、ぼんやりと物憂げな何かを放つ。冬がすぐそこまで来ている感じがした。