たまたまいただいたオートミールに、もらいものの豆やら残りものの豆やらを混ぜ合わせて、フライパンの上で炒る。それぞれに違うところから寄せ集まった豆たちが、高温のフライパンの上でごったに炒られて、小さくてバラバラなものになっていく。

それぞれの豆の違いが焦げ目のついた色そのものに変換されて小さく砕けていったところに、ナツメやハチミツや余りものの黒糖を入れる。しばらく冷蔵庫で冷やしてみると、小さな豆たちは互いにくっつきあって、なぜだかひとつのものになった。

山でそれを包みから開くと、冷蔵庫から出した時よりはパラパラとしはじめているけれど、それでもかろうじて全体がくっついて、ひとつの固形になっている。食べてみると、おどろくほど美味しい。

それぞれに異なるところからやってきたいろいろな小さなものごとが、バラバラなまま、ある時たまたまひとつの状態にまとまること。その状態はそう長くは続かないのだろうけれど、それがいいのだと思う。豆に学んだ小さなこと。