線になった風景

時たま、風景が色や意味を失って、
たくさんの線の連なりに見えてくる時がある。

たまに東京の都心へ行って、
息をすることさえ出来ないような密度で
びっしりと建物が並んでいる風景を見る。

そうした建物たちをつくるために描かれたであろう
膨大な数の線を想像してみる。
それから、それを描いたひとを想像してみる。

無数の線で埋め尽くされた町を思う。
線になった風景を思う。