海と小屋 2019年9月20日 北海道。夏になると、毎年一度、必ず訪れる街がある。 そのたびに、この古びた小屋の前を自転車で通り過ぎる。 多くのひとにとっては、たぶん気にも留めないような、 ありふれた些細なものであったとしても、 誰かにとってはそれが、他の何ものにも絶対に代えがたい 重要な存在であるもの。 それがただそこに「存在している」ということ自体が価値であるもの。 この小屋は自分にとってはどうやらそんな存在で、 遠くの海をじっと見つめて黙りこくって立っているその姿に、 なぜだかいつも、心を打たれてしまう。