机の上の森

待っていたものがついに手元に届いた。
いま、行きたくても行けない、歩きたくても歩けない、ある町と森の地形図たち。

このような状況のなか、その場所に行くことが叶わないならば、自分は、机の上の道を辿り、全ての等高線を丁寧になぞって、地図の上の町と森を自分の手でゆっくりと歩いてみようと思いたちました。

まずはどこから歩きはじめよう。

やっぱり最初はあの工房でゆっくり珈琲を飲みたいな。その後は食堂のレバニラでお腹を満たしたら、道を南に折れ、町を離れ、川沿いの林道をぬけて、あの森を目指そうか。

今日から仕事と暮らしの合間に少しずつ、いつものシャープペンシルとトレーシングペーパーだけを持ち物に、机の上でひとり静かに歩きはじめてみたいと思います。

行けぬなら 描いてしまえ 津南町