暮らしのはじめ

自分の頭や、あるいは大工さんの頭に
思い浮かんでいた建物の像がかたちになる。

建物がお施主さんの手に渡り、
いよいよその家をあとにしようとする夕暮れ時、
ぽっと部屋の電気がつく。

暮らしがはじまるなあと思う。
ふと嬉しくなって、家のほうを振り返る。