描くこと

ひとつ前に描いたものよりも、少しだけ丁寧に。
ひとつ前に描いたものよりも、少しだけ手間をかけて。

そうやってほんのわずかな少しをひとつずつ足していくと、前よりもなんだかちょっと、良い図面が描けたような気がしてくる。

良い図面が描けると、気持ちがいい。半透明の紙の上に、さーっと晴れ間がひらけてきて、気持ちがさらさらと澄んでくる。図面がうまく描けたなあと思ったら、ふーっと休んで、息をついて。次はここからあと少し、工夫をこらして、手間をかけて。そうしてもうほんの一寸ばかり、うまく描けるようになれたらいい。

自分の手で、一歩ずつ、ひとつひとつ。地べたに足をくっつけながら、ゆっくりと歩いていくように、描いていけたらいいなと思う。