戸袋の暗がり

この検討図を見ると、雨戸の戸袋の内側のことを
延々と考えた夏の日々を思いだす。

街を歩いて家々の戸袋を見る。
その内側がどうなっているのか妄想を膨らませながら歩く。

なんとかしてあの雨戸の内側に入って、その骨組みの寸法を知りたい。
古い家の、吹きつける風雨に耐え続けてきた戸袋の、その構造を知りたい。

日に焼けた板が打ちつけられた戸袋の、
その内側の暗がりに入っていくことばかりを考えて、
しまいにはもはやいっそのこと、蚊か何かになってしまいたい気分になった。