大地に根を張る

しばらくかかりきりだった実施設計がひとまず少しひと段落。。

先日テレビで、とある将棋棋士が他の中堅棋士の棋風を評して「大地に根を張ったような将棋」と言っていて、その言葉の響きにふいに心を打たれた瞬間があって、そのことを今日、ふと思い出しました。

写真は昨年訪れたアントニン・レイモンド設計の札幌聖ミカエル教会。
レイモンド独特の軽やかで素朴な木造架構を、深く地面に杭を打ちこまれたかのような表情で寡黙に支え続ける基礎まわり。

ものの成り立ちの最も深いところで、そのもの自体は何も語らずに、でもはっきりとそこに在って、黙々と何かを支えるもの。そのことの表現。
中野重治の小説『梨の花』に出てくる、「底土」という言葉を少し思い出しました。