三人の手

薪ストーブのうしろのコンクリートの壁は、
大工さんが木目がくっきり浮かびあがるように
浮造り加工をしてくれた杉板をつかった。

薪ストーブの下の床は、
左官屋さんがコテで仕上げてくれたモルタルに
金属の目地棒を埋めこんだ。

薪ストーブの手前には、お施主さんが
自分の手でつくったスツールを置いてくれた。

3人の手の跡が、火をかこむようにして浮かんでいる。

(写真:金田幸三)