まんまるい影

夕焼け小焼けの時間。
まんまるの影がふたつ、なにやら挨拶かなんかを交わしているような感じで向かい合って立っていた。影と影の間にはなんとも絶妙な距離があって、その先にはゴワゴワと泡立った雲がどこまでもひろがっていた。棒立ち状態の真っ黒なふたつのまんまるから、かすかな話し声のようなものが聞こえてきそうな気がして、なんだかちょっと可笑しくなってそれを撮った。