だれかの花束

裏山で切ってきたのであろう竹の鉢、無造作に入れられた花束、それらの花が明るい方を見上げている様子、蒼い影、風の跡、枯れきってうなだれた葉っぱ。そうしたものたちの醸し出す何かになんとなく目を奪われ、ちょっとだけホッパーの絵画を想った。どこかの街の片隅の、知らないだれかの花束。