花火

7月の夜、山頂から周囲を見渡していた時に、
山の裾野近くの町で花火があがった。

何発もあがったその花火は、山から見ると驚くほどに小さく、ちっぽけで、
どこか愛らしい感じがした。

ゆらゆらと広がる大地のなかに浮かんだ花火は、
いつもよりも真ん丸に見えて、幾何学的だった。

カメラをむけると瞬く間に消えてしまった。